VAON ソフトウェア開発パートナー 品質保証 開発プロセス

「バグゼロ納品」では足りない — 成果で測る受託開発の品質保証

2026年08月12日 1 分で読めます 44 ビュー

なぜ「バグゼロ納品」は品質の証明にならないのか

テストが証明するのは、システムが仕様どおりに動くことです。仕様そのものが業務に合っているかは、証明していません。

この2つは別のことであり、その差が生まれる場所で多くのプロジェクトが失敗します。現場で繰り返し起きる3つの型があります。

  • ロジックは正しいが、操作が増えた。従来3ステップで終わっていた業務が8ステップになりました。現場は結局Excelに戻ります。
  • 仕様どおりだが、実データで壊れた。仕様はきれいなサンプルデータを前提に書かれていました。実データには空欄、重複コード、特殊文字があり、初週で処理が止まります。
  • 機能は正しいが、目的が違った。ご要望は「Excel出力ボタン」でした。本当の目的は毎週月曜の本部向け報告書の作成でした。ボタンは正しく実装され、報告書作成の負担は変わりません。

3つとも検収は通ります。そして3つとも失敗したプロジェクトです。

 

使われないシステムはどれだけの損失を生むのか

使われないシステムの損失は、初期開発費だけではありません。稼働している限り、損失は毎日発生し続けます。

社内システムの場合、損失は時間として現れます。以下は自社の数値で試算していただくための計算式です。

変数仮の値結果
1人あたり1日の追加所要時間30分
利用者数100名1日あたり50人時
年間稼働日数250日年間12,500人時

 

これは調査データではなく、試算の枠組みです。自社の実数に置き換えてご確認ください。多くの場合、想定より大きくなります。

顧客向けアプリケーションの場合、損失は各画面遷移と読み込み待ちの中に分散します。問題は、この損失がどの報告書にも現れないため、誰の責任にもならない点です。

代理店・システムインテグレーターの場合、損失は信用として現れます。「動くが結果が出ない」成果物を納品したとき、エンドクライアントは戻ってきませんし、理由も告げません。

 

受託開発の品質はどの指標で測るべきか

受託開発の品質は、4つの指標を併用して測ります。1つの指標だけでは、最も危険な失敗——仕様どおりだが使われていない状態——を検出できません。

指標定義測定者頻度
検収時の不具合密度検収時に検出した不具合数 ÷ 規模開発側工程末
本番流出不具合率本番で発見した不具合数 ÷ 全不具合数開発側スプリントごと
業務完了率業務の完了件数 ÷ 開始件数ログから取得週次
利用継続率90日後の稼働ユーザー数 ÷ 付与アカウント数双方月次

 

前半2つは開発側の指標です。後半2つは本番稼働後にしか測れません。多くの契約にこの2つが入っていない理由がここにあります。

実務上重要な点を1つ。計測用のログ設計は、リリース前に組み込む必要があります。リリース後に追加すると比較対象となる初期データが失われ、以降の改善効果を証明できなくなります。

 

VAONはどのように品質を担保しているのか

VAONは3層のレビュー体制を採用しています。各層は、前の層では見えない種類の不具合を捕捉します。

実施者捕捉する不具合
① 受入基準に基づくセルフチェック実装担当者合意した受入基準との差異
② 開発者クロスレビュー当該箇所に関与していない開発者ロジックの誤り、重複、例外処理の欠落
③ 業務観点での検収BrSE(Bridge System Engineer・ブリッジSE)コードは正しいが業務が成立しない状態

 

決定的なのは第3層です。第1層と第2層はシステムを仕様と照合します。第3層はシステムを実際の業務と照合します。業務と技術の両方を理解する人材が必要なため、多くのオフショア体制ではこの層が省略されています。

あわせて、前述の4指標を定例レビューでお客様に提示します。数値が芳しくない場合も同様です。早期に把握した悪い数値は、後から判明する場合よりはるかに安く済みます。

 

保証(瑕疵対応)と改善はどう違うのか

保証と改善は範囲が異なります。この2つを契約上で切り分けていないことが、納品後の紛争で最も多い原因です。

 保証(瑕疵対応)リリース後の改善
対象契約した仕様との差異仕様は正しいが、実利用から見て変更が必要な事象
費用負担開発側事前の取り決めによる。契約時に明記が必要
判断根拠仕様書実利用データと利用者フィードバック

 

VAONは、上限工数を明記したうえで、リリース後の改善サイクル1回を契約範囲に含めます。最初の事象が発生した時点で範囲を議論する必要がなくなります。

 

契約前に開発会社へ確認すべき5つの質問

以下の5問は、VAONを含むどの開発会社にもお使いいただけます。いずれかで曖昧な回答が返る場合、それ自体がリスクの兆候です。

  1. 直近プロジェクトの本番流出不具合率の実績値はいくつですか。
  2. 受入基準は御社が書きますか、当社が書きますか。
  3. リリース後の改善は契約範囲に含まれますか。上限工数はどの程度ですか。
  4. 本番障害の発生時、誰が何分以内に一次対応を開始しますか。
  5. テストケースは受入基準から生成しますか、既存コードから生成しますか。

特に5問目が重要です。コードから生成したテストは、そのコードが現在行っている動作を追認するだけであり、仕様との乖離を検出できません。

 

この測定が必要ないケース

測定が常に費用に見合うわけではありません。次の3つのケースでは不要です。

  • 短期のPoC。目的は技術的な実現性の検証であり、運用成果ではありません。
  • 利用者20名未満の社内システム。業務完了率と月次の定性フィードバックだけで実態は把握できます。指標を増やしても書類仕事が増えるだけです。
  • ログへのアクセスやエンドユーザーへの接触が許可されない場合。データがなければ、どの指標も推測にすぎません。この場合は責任範囲を契約時に整理し直すべきです。

限界を明示することも品質保証の一部です。あらゆる状況で全てを測定できると約束する会社は、実際にその業務を経験していない可能性があります。

 

次の一歩

すでに納品済みのシステムについて、どのような成果が出ているか把握できていない場合、追加投資を判断する前に現状評価を行うことをおすすめします。

VAONは現状評価をご提供しています。現在お使いの受入基準の確認、既存データで即座に測定可能な指標の特定、次期開発の前にログ追加が必要な箇所の洗い出しを行い、短い報告書としてお渡しします。契約の義務は発生しません。

お問い合わせ:sales@ai.vaon.com.vn / Webサイト:https://vaon.com.vn/ja

ビジネス変革の準備はできていますか?

AIとデジタル変革の活用について、ぜひご相談ください。

よくある質問

受託開発の品質はどの指標で測るべきですか?
検収時の不具合密度に加えて、本番流出不具合率、業務完了率、利用継続率の4つを併用します。検収指標だけでは「仕様どおりだが使われない」状態を検出できません。リリース後3か月まで測定を続けることで、設計上の誤りと実装上の誤りを切り分けられます。
「バグゼロ」で納品されたのに現場で使われないのはなぜですか?
多くの場合、要件定義の段階で業務の実態が反映されていないためです。テストは仕様との一致を確認しますが、仕様そのものの妥当性は確認しません。受入基準を業務完了の観点で書き直すことで、この乖離を早期に発見できます。
本番流出不具合率とは何ですか?
リリース後に本番環境で発見された不具合の数を、開発期間中に発見された不具合を含む総数で割った比率です。この数値が高いほど、テスト工程が実態を捉えていないことを示します。開発会社に実績値の開示を求めることをおすすめします。
リリース後の改善は契約に含められますか?
含められます。VAONでは、リリース後の一定期間における改善サイクルを契約範囲に含める形を標準としています。保証(不具合修正)と改善(設計変更)は別物であるため、契約書上で明確に切り分けることが重要です。
オフショア開発でも同じ品質基準を適用できますか?
適用できます。ただし受入基準の言語化と、業務観点での検収を担当する人材(BrSE)の常駐が前提になります。基準が曖昧なままオフショアに出すと、品質のばらつきは国内外を問わず発生します。

記事をシェア