開発パートナー選定では何が問題になるのか
このページをご覧になっている方の多くは、仕様書どおりに動作するにもかかわらず成果につながらないシステムを受け取ったご経験があるかと存じます。これは珍しいことではなく、原因は開発力の不足にあるとは限りません。
受託開発では、次の三つの失敗パターンが繰り返し発生しています。
- ロジックは正しいが、操作が増える。 計算は正確でも、従来3ステップだった業務が8ステップになる。担当者は Excel での運用に戻ってしまいます。
- 仕様は正しいが、実データで破綻する。 仕様はきれいなサンプルデータを前提に書かれています。本番データには空欄、重複コード、特殊文字が含まれ、処理フローは初週で止まります。
- 機能は正しいが、目的が違う。 ご要望は「Excel 出力ボタン」でした。本当の目的は月曜朝の本社向け報告書です。ボタンは仕様どおりに動き、報告書作成には依然として半日かかります。
三例とも検収は問題なく通過しています。そして三例とも失敗プロジェクトです。納品後の品質を測る指標については、「バグゼロ納品」では足りない — 成果で測る受託開発の品質保証で詳しく解説しております。
開発体制をご検討いただく際、選択肢は次のように整理できます。
| 選択肢 | 利点 | 制約 |
|---|---|---|
| 日本国内での自社採用 | 統制が効き、業務理解が深い | 人件費が高く、採用に時間を要する |
| 国内受託開発会社への委託 | コミュニケーションの障壁がない | 選択肢の中で最も費用が高い |
| フリーランス活用 | 費用が低く、着手が早い | 品質が安定せず、途中離脱のリスクがある |
| 調整役のいないオフショア | 費用が低い | 要件のずれが生じ、手戻りが大きい |
| BrSE 常駐型の管理されたオフショア | 費用と品質の均衡が取れ、責任の窓口が一本化される | 検収基準と報告サイクルを初期に明確化する必要がある |
VAONは最後のモデルで事業を行っております。VAONの体制と日本企業との協業方法もあわせてご覧ください。
フルサイクル開発サービスの提供範囲
VAONは、事業目標の明確化から本番稼働後の改善まで一貫して責任を負います。複数ベンダーを調整いただく必要はなく、窓口は一本です。
提供範囲は、上表の制約に対応しております。
| 領域 | 内容 |
|---|---|
| コンサルティング・目標定義 | 機能一覧を確定する前に、改善すべき指標を特定します |
| UI/UX 設計 | 紙の仕様書ではなく、実際の業務フローに基づいて設計します |
| 開発 | Web、モバイル、社内システム、AI 連携 |
| 二層構造の QA | 技術テスト(単体・結合)に加え、ユーザビリティテストを実施します |
| BrSE(Bridge System Engineer) | 日本のお客様と開発チームの間で業務文脈を通訳します |
| 運用・リリース後改善 | 利用指標を計測し、改善案の提示と実行を行います |
一点、明確に申し上げます。VAONがお約束するのは利用成果の計測とご報告であり、特定の ROI 数値ではございません。ROI はマーケティング、運用、市場環境など、技術パートナーの管理範囲外の変数に左右されるためです。契約上 ROI を保証する事業者は、自社で管理できないものを販売していることになります。
進め方と各工程の所要期間
工程は5段階です。以下は中規模システムの一般的な期間であり、複雑な案件はこれより長くなります。その場合はご提案書に明記いたします。
- 現状アセスメント — 営業日3〜5日。 既存システム、利用可能なデータ、現在お使いの検収基準を確認します。成果物は短い報告書で、費用は無料、契約上の拘束もございません。
- 目標定義・見積 — 1〜2週間。 改善すべき指標、その指標を動かす最小限の範囲、必要な体制と期間を確定します。
- 設計・検収基準の確定 — 2〜4週間。 実際の業務フローに基づいて UI/UX を設計します。検収基準は両者で作成し、リリース後に計測する指標も含めます。
- 2週間スプリントでの開発。 各スプリントで動作するビルドをご確認いただけます。進捗報告は BrSE を通じて日本語または英語で毎週お送りします。
- 本番稼働・改善 — 初回の改善サイクルは契約範囲内です。 上限時間を事前に明記するため、問題発生時に範囲を巡る議論が生じません。
業務言語: 日本語(BrSE 経由)または英語。 報告頻度: 毎週、加えて各スプリント終了時のレビュー。
要件変更への対応: 進行中のスプリント内で発生した変更は、影響見積を添えて次スプリントのバックログに入れ、ご判断いただきます。VAONは「仕様書に記載がない」ことを理由に変更をお断りすることはいたしません。同時に、再見積なしに変更をお受けすることもいたしません。
品質管理の三層構造
| 層 | 実施者 | 検出する不具合 |
|---|---|---|
| 1. 検収基準に基づく自己確認 | 担当エンジニア | 合意済み基準からの逸脱 |
| 2. 相互レビュー | 当該モジュール非担当のエンジニア | ロジック誤り、重複、例外処理の欠落 |
| 3. 業務視点での受入確認 | BrSE | コードは正しいが業務結果が誤っている状態 |
三層目が決定的な層であり、多くの受託開発モデルが省略している層でもあります。業務と技術の双方を理解する人材を要するためです。
VAONの実績
OneBot — カスタマーサービス自動化システム。 VAONは、本ページでご説明したモデルどおりに OneBot を開発いたしました。目標の明確化を先に行い、サポート部門が実際に問い合わせを処理する流れに基づいて設計し、稼働後も利用データを継続的に確認しております。
店舗運営支援サービスを提供する企業様では、定型的なお問い合わせの約6割を自動応答に移行いたしました。残りのお問い合わせは引き続き担当者が対応しており、対応を要する案件に人員を集中できる状態になっております。
体制
VAONは15名体制で、開発の全工程を外部委託せずに担える職種を揃えております。
| 職種 | 補足 |
|---|---|
| BrSE(Bridge System Engineer)/PM | BrSE 2名、いずれも日本企業との協業経験10年以上 |
| テクニカルリーダー | アーキテクチャと相互レビュー層を担当 |
| フルスタックエンジニア | Web および社内システム |
| モバイルエンジニア | iOS / Android アプリケーション |
| デザイナー | 実際の業務フローに基づく UI/UX |
| QA | 技術テストおよびユーザビリティテスト |
15名という規模は意図的なものです。BrSE 2名が進行中の全案件の文脈を把握できる小ささを保ちつつ、開発工程のどの職種も外部委託せずに済む規模を確保しております。
費用はどのように算出されますか
VAONは固定の価格表を用いておりません。費用はお客様のご予算と目標から逆算して組み立てます。まず改善すべき指標を特定し、次にその指標をご予算の範囲内で動かせる最小限の範囲を定めます。
これは、ご予算が決めるのは範囲であり、品質管理の工程ではないということです。小規模な案件でも三層の品質管理を通し、リリース後の改善サイクルも実施いたします。変わるのは、範囲に含める業務フローの数のみです。
費用を決める3要素は次のとおりです。
| 要素 | 費用への影響 |
|---|---|
| 業務範囲 | システム化する業務フローの数 — 影響が最も大きい要素 |
| チーム構成 | モバイル、AI、既存システム連携を要する案件は追加の職種が必要 |
| 契約期間 | 長期契約のほうが短期契約より月額単価を抑えられます |
課金モデルは2種類です。
| モデル | 適するお客様 | 算出方法 |
|---|---|---|
| 専任チーム(Dedicated Team) | 長期のプロダクト計画をお持ちで、安定した体制が必要な企業 | エンジニア単価・月額、四半期または年単位のご契約 |
| 一括請負(固定スコープ) | 範囲が確定しており、マイルストーン納品を求める案件 | 初回改善サイクルを含む全工程を一括でお見積 |
現状アセスメントは無料で、一般的な価格ではなく貴社の状況に基づいた概算をご提示いたします。
VAONが適さない場合について
以下の3つの場合は、他の選択肢をご検討いただくほうが適切です。
- 1週間以内の着手が必要な場合。 目標定義と検収基準の確定には、最初のコードを書くまでに最低3〜6週間を要します。すぐに実装を開始する必要がある場合は、フリーランスまたは人材補完型のサービスが適しています。
- 既存チームへのエンジニア増員のみをご希望の場合。 すでに PM と自社の開発プロセスをお持ちで、実装人員のみが不足している場合は、人材補完型のサービスのほうが費用を抑えられます。BrSE の役割と業務視点での受入確認は、貴社チームがすでに担っている工程と重複いたします。
- ログへのアクセスまたはエンドユーザーへの接触をご提供いただけない場合。 利用データがなければリリース後の指標はすべて推測となり、本モデルの中核となる価値が機能いたしません。
適さない条件を先に申し上げることは、3か月目に不一致が判明するより費用がかかりません。
次のステップ
すでに稼働しているシステムの成果が不明確な場合、あるいはこれから始まる案件のパートナーを選定中の場合、予算を確定する前に現状を評価することをお勧めいたします。
VAONのアセスメントは営業日3〜5日で、短い報告書をお渡しします。内容は、現在の検収基準に存在する不足点、既存データで即座に計測できる指標、次フェーズ着手前にログ追加が必要な箇所です。契約上の拘束はございません。
無料アセスメントのご相談 · sales@ai.vaon.com.vn · vaon.com.vn/ja
よくあるご質問
当社の予算規模でも対応いただけますか。 VAONは幅広いご予算に対応しております。範囲をご予算から逆算して組み立てるためです。まず動かすべき指標をお伺いし、そのうえでご予算の範囲内で指標を動かせる最小限の範囲を定めます。品質管理の工程は、案件規模にかかわらず変わりません。
言語の壁はどのように解消されますか。 常駐の BrSE(Bridge System Engineer)が日本語で直接お客様と対応し、技術要件として開発チームへ伝達します。週次の進捗報告およびスプリントレビュー議事録も日本語でご提出します。エンジニアと英語でやり取りいただく必要はございません。
コード品質はどのように担保されますか。 三層構造で担保します。検収基準に基づく自己確認、エンジニア間の相互レビュー、BrSE による業務視点での受入確認です。加えて本番流出不具合率を継続的に計測し、数値が芳しくない場合も含めて定例レビューでご報告いたします。
検収基準を満たさなかった場合はどうなりますか。 署名済みの検収基準からの逸脱は保証範囲であり、費用はVAONが負担いたします。仕様は正しかったものの実利用により設計変更が必要と判明した場合は改善範囲となり、初回の改善サイクルは上限時間を明記のうえ契約に含まれております。両者の範囲は契約時に区分し、問題発生後に交渉することはございません。保証とリリース後改善の違いもご参照ください。
知的財産権はどちらに帰属しますか。 ソースコードおよび知的財産は、契約に定める支払完了時にお客様へ帰属いたします。本条項は契約書に明記されており、その後 VAON の運用サービスをご継続いただくかどうかとは無関係です。
アセスメント後に契約する義務はありますか。 ございません。アセスメントの報告書は独立した現状評価であり、貴社の社内チームを含め、どの事業者様とでもご活用いただけます。双方が契約交渉に時間を投じる前に適合性を判断するための工程と位置づけております。
着手までどの程度かかりますか。 アセスメント営業日3〜5日、目標定義と見積1〜2週間、設計と検収基準の確定2〜4週間です。最初の開発スプリントは、アセスメントから4〜7週間後の開始が一般的で、システムの複雑さにより前後いたします。